~~~はじめに~~~

         「被差別部落」…皆さんはこの言葉を聞いてどう思われますか?
私が、このブログを始めることにしたのは、職場で「○○地区は危ない」などと
“心無い会話”が聞こえてきたからでした。それも複数の方から…。政策的には、約150年前に「解放」されたはずの被差別部落ですが、職場だけではなく、インターネットやパルプマガジン(低俗雑誌)などで、今尚、多くの差別があることを実感します。被差別部落出身の妻と結婚し、部落の暮らしを知る中で「部落の良さや暖かさ」を皆さんに伝えたいと思います。

2015年10月23日金曜日

続・被差別部落と暴力団:山口分裂報道をきっかけに再考する③

「山口組分裂の原因は、“同和と在日”の争い」・・・
私がこのテーマで書き始めて、程なくして、
このような文言を、インターネットで目にすることが多々ありました。

「いや~、いろいろな説を考える人がいるものだなぁ」と、
第一印象としては感心(?)した次第でありますが、
これは、もっともらしい説ではあるが、あまり関係が無いでしょう。
(多少の同胞意識はあるでしょうが)

情報のソースを探ってみると、どうやら米ネットメディアの
『Daily Beast』と言うのが発信源らしいのです。
今回の、山口組の分裂に関しては、米国や英国でも報道されているようで、
この一件が世界的にも注目を集めているのは事実のようです。

ところで、「同和と在日の争い」に関しては、
第一印象としては、感心した次第であるが、
時間が経つに連れて、どうも腑に落ちない所があったのです。
よくよく考えてみると、その“腑の落ちなさ”というのが、
部落と在日に対する『偏見』であることがわかったのです。

今回は、「続・被差別部落と暴力団」というテーマで書いていていますが、
その前編、以前書いた「被差別部落と暴力団」の中にもあるように、
確かに数十年前までは、暴力団には部落民と、
在日韓国朝鮮人が多かったのは事実であるでしょう。

それは、現在よりも、より大きな差別が社会的に存在し、
安定した仕事に就くこともままならなかった部落民や在日韓国朝鮮人達が、
“食っていく上”での重要な受け皿であったことは、
それは私も認めるところであります。

だがしかし、今日、生活や仕事、就学率などをとっても
部落が、ようやく世間一般と格差が無くなってきた(差別は依然として存在するが)
ことから見ても、ヤクザが、部落民と在日中心で構成されているとは言い難いでしょう。

部落には、「暴力団事務所が多い」という声も散見するのですが、
事務所だけで言うのであれば、一般地区の方が圧倒的に多く、
中年~若手の構成員に関しては、一般地区出身者が多いだろうことは、
容易に想像がつきます。

実際、私が育った近所(部落ではない一般地区)でも、
ヤクザになった先輩が二人もいるのです。
勿論、現在は付き合いは無いですが、小・中学当時は、
仲良くしていたものです。

一人は、名前をNと言い、当時、自宅の一本裏の通りに住んでおり、
同じ町内ということで、兄のように、本当に親しい間柄だったが、
中・高校と疎遠になるに従い、「ヤクザになった」と聞いたときには、
私も母親も本当にビックリしたものです。
と、いうのも、Nは、不良集団にも属さず、「悪」と言う事からかけ離れた存在
(もしかしたら、私が知らなかっただけかもしれないが・・・)だったからであります。
ただ、無口で一匹狼。
芯の強いところはありました。

もう一人のAは、先にも述べたように、現在は付き合いは全く無いのですが、
同じ武道場に通い、尚且、部活(サッカー部)も同じだった関係で、
当時から無茶をしていたのはよく知っていたので、
ヤクザになったことも頷けます。

先の、同じ町内の先輩Nの所在は今はわからないのですが、
後者の先輩Aは、2度3度、新聞紙面を飾っていた(?)ので、
おおよその所在は想像できます。
紙面では「組長」となっていたので、それなりに出世したようです。

逆に、同和地区を校区に含む中学校に通った私ではありますが、
同級生、先輩を含め、同和地区の生徒が
ヤクザになったという話は終ぞ聞かなかった。
部落出身の妻の親族でも、私が知っている限り、
ヤクザは一人もいません。

このことから見ても、何度も言うように、高齢のヤクザを除いては、
今のヤクザが、「部落と在日の温床」と言う訳では無いでしょう。
それだけに、今回のこのソースについては、
未だに、「やくざ=部落と在日」という偏見に違和感を覚えてわけです。

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さて、話は変わりますが、次に、
ヤクザと縁の深い(時には同列に見られますが・・・)
右翼団体について書いてみましょう。

右翼とは、時に民族派とか、国粋主義などと形容されるように、
天皇を国父と仰ぎ、日本の国を愛する「尊王・愛国者」の団体及び、
個人ですが、街宣車の風貌や、大型スピーカーから流れる軍歌、
マイクから放たれる怒号など、その糾弾行動があまりにも過激なため、
きっと、多くの一般市民からは「恐怖」の対象でしかないかもしれません。

また、先にも書いたように、“ヤクザとの関係が深い”と
思いの方も多いかと推測します。

では、実際のところはどうなのでしょう?

答えは・・・その通り。

ヤクザと右翼団体はとても近い関係・・・というか、
ヤクザ直属の右翼団体も多く存在しますし、
右翼団体の構成員はヤクザと右翼、
二足のわらじをはいている者も多いです。
(誤解のないように書いておきますが、数の上から見れば、
普段はきちんと仕事を持ち、運動のあるときだけ活動する方々がほとんどです)

勿論、ヤクザ直属以外の右翼団体も存在しますが、
その場合でも、後見人や相談役等どこかでヤクザの世話になっており、
ヤクザの関わり無くして、右翼団体が存在することはありえません。

以前、ある右翼団体の重鎮(Y氏)に、インタビューする機会がありました。
Y氏は、右翼団体約10団体を束ねる連合会の理事長で、
自身もD会と言う右翼団体の会長でもあります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Y氏:私は、若いころ“柳川”にいたことがあるんだ。
(スギムラ注:「殺しの柳川」と言われた三代目山口組きっての伝説の武闘派。
 尖兵部隊として、山口組の全国制覇に大きく貢献した)

スギムラ:えっ?柳川って、あの伝説の?

Y氏:「殺しの柳川」と言うことで殺伐としたイメージがあるが、
ある時、事務所で、顔に定規を当てた同僚組員に「お前何してんの?」と。
同僚組員は、定規を取って見せて「どや?傷跡に見えるやろ!」って。
そんな賑やかな一面もあった。

スギムラ:会長!?今は堅気ですよね?

Y氏:ヤクザ稼業は若い頃の話。今は正業を持ちながら民族活動をしている。

スギムラ:ヤクザの話が出ましたが、ヤクザと右翼はつながりが深いのでは?

Y氏:確かに、ヤクザと右翼の関係は深い。
   実際、この団体にも、ヤクザをしている人間が沢山いる。
   しかし、たとえヤクザをしていても、隊服を着て運動をしている間は、
   一切ヤクザとは別。
   運動は、運動。
   そこに、ヤクザや暴力を持ち込んではいけない。
   当団体の会員も、そのあたりの分別はしっかり持っているし、
   会則でしっかり決まっている。

スギムラ:右翼が“ヤクザの隠れ蓑”と言う見方もあると聞きますが?

Y氏:それも昔の話。
   確かに、ヤクザの締め付けが厳しくなり、
   右翼に形を変えてシノギの一つにしていた時代もあったが、
   今は、そんな団体は皆無。
   何より、企業・その他が、右翼に金を出す時代ではない。
   現在は、右翼が金儲けになる事はまったく無い。

スギムラ:でも、暴力団組織直属の右翼団体も存在しますよね?

Y氏:さっきも言ったとおり、民族運動にヤクザはまったく関係ない。
   愛国者は、金や利益で動くのではなく、
   主義主張・信条で動く。
   ヤクザ直属の団体もそうだが、
   多くの右翼団体が会費制で、手弁当で活動している。
   
スギムラ:手弁当ですか?ガソリン代も車の維持費も?
      活動費は組から出ないのですか?

Y氏:勿論。手弁当だし、設立母体はヤクザ組織であっても、
   現在は、独立した運動団体になった団体も多い。
   そこには、当然、カタギの会員も多数在籍している
   元々、ヤクザと右翼は思想的に共通する。
   神道を重んじ、日本古来の伝統を大切にする。
   特に、現人神である天皇に対する礼節は欠く事ができない。
   そこから、右翼団体が派生したのも自然なことだ。
   
スギムラ:ありがとうございました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結論的には、ヤクザ=右翼と世間的に見られているのは、
あながち間違いではないが、運動中はヤクザと
民族派運動とは全く別けて活動しているとのことでした。

===============

さて、以上は、尊王・愛国をスローガン
に掲げる右翼団体と、ヤクザとの関係でしたが、
では、被差別部落民と天皇との関係はどうなのでしょうか?

部落解放同盟が綱領・スローガンとして、
反天皇制を掲げている関係で、部落民は、
皆天皇制反対の立場に立っていると思われるかもしれません。

かつて、部落解放同盟とたもとを分かった運動団体、
地域人権運動総連合(以前の全解連)は、共産党系の団体のため、
天皇制には断固反対の立場に変わりありません。

しかし、それらの運動団体に所属しない部落の方や、
団体として天皇制反対の立場をとっている部落解放同盟の
同盟員でさえ、(立場上、彼らは声を大にして言うことはできないが)
実際の声として、天皇を敬う方は非常に多いです。

かの初期段階の全国水平社でも、当時の資料に目を通すと、
天皇を敬う文言が随所に見て取れます。

しかし、水平社内の右派・左派の対立が激化し、
結果的には、創立メンバーの右派思想者が全水から追い出される形になり、
左派が実権を握ることになります。
昭和8年の第11回大会において「天皇制打倒」が掲げられるものの、
時代は戦争に突入。
次に、反天皇制が掲げられるのは戦後ということになります。

・・・

部落解放同盟が、反天皇制を明確に打ち出したのが1960年。
社会党との連携の元、そのような立場に至るのですが、
そこへ至るまでに、何よりも「カニの横ばい拒否」で有名な、
松本治一郎氏の影響が大きいと思われます。

実は、松本治一郎氏は、昭和11年大政翼賛会推薦の元、
衆議院議員に当選しており、当時は、
戦争にも積極的な立場をとっておりました。

しかし、松本氏は華族・氏族などの身分階級の解消を始め、
「貴族あれば賤族あり」と、次第に反天皇制へと
思想転向が行われたようです。

松本治一郎氏を「部落解放の父」とする解放同盟は、
その流れを引く次ぐことが当然のことであり、使命でもあるのです。

そのようないきさつから、部落解放同盟としては、
天皇制を大きく掲げるわけですが、
先も書きましたように、人権連・一部の部落解放同盟員・
運動団体に属さないが、心情的に反天皇制をとっている方々を覗いては、
概ね、被差別部落民も、天皇を敬う方が多いのが現状です。

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さて、この度の山口組分裂報道を受けて、
今回のこの記事となったわけですが、
ここへ来て、幾つかの抗争へと発展しそうな事態が報道されております。

かつて、「ヤクザはかっこいい!」と憧れを持っていた私ですが、
現在のヤクザを取り巻く状況は、常に警察の監視下に置かれ、
少しでも法を犯せば即逮捕。
ゴルフ場をはじめ、公の場所への入場もままならない。
子どもたちは、肩身の狭い思いをし、
銀行口座も持てず、ローンを組むどころか、
暴力団追放の流れを受けて、家ですら借りることが困難。
おまけに、一般人との付き合いも禁止され、
シノギがままならず、暮らしていくにも苦労する。

このように、非常に厳しいのが、現状であります。
先にも書きましたが、現役の組員でさえ、
ヤクザからの離脱希望者が、かなり増えているといいます。

ヤクザは、かつては、警察と蜜月な関係があったこともあります。
京都で、一時途絶えていた江戸時代から続く博徒組織「会津小鉄」を復興させた
図越利一氏の半生を書いた山平重樹著
「残侠・会津小鉄 図越利一の半生」という本の中に、
このような下りがあります。

『終戦後、三国人(韓国朝鮮人や中国人)が京都駅前で暴動を起こし、
警察署を襲った。
その際、警察署長から図越氏の元へ応援依頼があり、
図越氏は組員とともに三国人と戦った』旨が書かれております。

このような事例は、当時は全国でもあったようで、
終戦後の弱体した警察に変わって治安維持に貢献したのが
ヤクザという事実があります。

また、右翼団体も、安保闘争などで、
度々警察から応援要請があったのです。

しかし、現在は社会的に見ても「反社会団体」ということで、
警察の厳重な取締りの対象となっていることは、
皆さんも御存知のとおりですし、多くの一般市民も
ヤクザの弱体化を願っているのは当然の流れです。

しかし、反対に、ヤクザが弱体化すると、
蛇頭や関東連合などの所謂「ギャング・半グレ」が勢力を増し、
より治安が悪くなる、又、ヤクザが地下に潜り見えない存在
=マフィア化するという見方も一部ではあります。

肯定・否定様々な意見がありますが、
今は、兎にも角にも、一般人への巻き添えで犠牲者が出ないよう、
一日も早く事態が収拾することを願って筆を置きます。

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2015年10月2日金曜日

続・被差別部落と暴力団:山口分裂報道をきっかけに再考する②

前回の振り返りとして、やくざ(暴力団)とは、
暴力や非合法活動を伴う「営利集団」であると言うことは
先に述べたとおりです。

ただ、暴力団を取り締まる法律が厳しくなるにしたがって、
裏のシノギから、表のシノギへと進出するヤクザも増えていきます。

フロント企業とか企業舎弟と呼ばれるのがそれで、
建設業や金融業、果ては飲食店経営まで、
それこそ、いろいろな業種にヤクザは進出してきています。
ただ、法律でがんじがらめになっている現在、
表立ってはヤクザは出てきません。
あくまでも、表向きは普通の企業であるのですが、
実は、ヤクザとつながっており、
それらの経済活動で生まれた金が、
暴力団の資金へと変わっていきます。

引退した、元山口組若頭補佐(引退時の六代目の下では舎弟)
後藤忠政氏の著書「憚りながら」の中に、
「組長である後藤氏も把握しきれないほどの、フロント企業や
企業舎弟が組内には存在した」旨が書かれています。
自らの組織内の企業でさえ把握できないのですから、
一般から見れば、全く普通の企業と見分けがつかないわけです。

また、株やFXと言った利殖に力を入れる組織もあり、
それらのヤクザは、一般に経済ヤクザと呼ばれています。

戦後、日本経済の成長と共に育ってきた
新しいヤクザの形なのですが、
「切った張った」の時代ではなくなった現代においては、
この経済ヤクザこそ、組織内でも大きな力を有します。

多くの組織では、収める義理(上納金)の額で、
組織内序列に大きな影響があるのです。

さて、このヤクザがヤクザである大きな要因の一つに、
「盃」があります。

盃は、ヤクザ社会にとって、
最も大きなファクターであるといえます。

盃には、
・親子盃(親子関係になる)
・襲名盃(代替わりなど跡目相続)
・兄弟盃(兄弟関係になる)
・和合盃(けんか・抗争の手打ち)
などの種類があり、どれも大切な儀式なのですが、
中でも特に重視されるのが、親子盃です。

親分から盃をもらい、親子関係にかったからには、
親分には絶対服従、つまり「親が白言うたら、黒いもんでも白や!」
と言うのはこのことです。
一旦親子盃を交わしたら、
親からは、絶縁・破門等で組織を追い出されても、
自ら盃を返すことはできません。
この盃があるからこそ、ヤクザはヤクザであることができるのです。

盃ごとは、神事をもとに独特の作法で行われます。
大きな盃事になれば、全国からも名だたる親分衆が駆けつけ、
後見や立会いを行い、盃事を祝います。

最近は、抗争防止やもめ事が起こっても速やかに事態が収拾できるように、
大組織同士が親戚関係を結ぶことがほとんどです。

例えば、山口組は全国三位の構成員を持つ東京の稲川会をはじめ、
日本全国の大きな組織と親戚関係を結んでします。

ヤクザ社会は、ピラミッドになっており、
親分の上に更に親分、そしてその上にも親分がいるというように、
一家の親分であっても、その上部団体では直参であったり、
若頭であったりと、立場が変わります。

よって、山口組のような大きな組織では、
末端に行くと、四次・五次と言うような
小さな組織も存在するのです。

今回の、山口組分裂騒動は、この様な中で起こりました。
簡単にいえば、山口組六代目司忍組長に対する、
四代目山健組をはじめとした、山口組直参団体の
「盃返し」なのです。

実は、神戸山口組・四代目山健組は構成員2000人
(準構成員を含めいると倍以上)といわれ、
山口組内で最も構成員の多い組織でした。
しばしば、暴力団の勢力に構成員数が挙げられるように、
暴力団にとっての“力”のバロメーターは、
金と共に構成員数が挙げられます。
同じく離脱した宅見組他の構成員を入れると、
その規模は3000人(同じく準構成員を含めると倍以上)
規模と言われています。

これは、数字だけ見ると、
全国第3位の構成員を持つ稲川会と
肩を並べる数字と言えますので、
今回の離脱が、ヤクザ社会のみならず、
抗争の危険性など、世間一般に与える影響と言うのは、
とても大きいものになります。

神戸山口組の井上邦雄組長も、
構成員2000人を持つ大親分であることには間違いありませんが、
六代目司忍組長と親子盃を交わしており、
井上組長も司組長の子分と言うことになります。

話を戻しますと、ヤクザがヤクザたる理由の一つである盃事。
理由はどうであれ、親に盃を返すという行為は、
造反・謀反であり、山口組のみならず、ヤクザ社会全体にとって、
決して許し難い行為なのであります。

これを許せば、他の組織も追随することになり、
ヤクザ社会・・・と言うかヤクザそのものの否定につながります。

だからこそ、山口組側も決してこれを許さないでしょう。
これまでの例を見ると、この様な造反劇は、
抗争と言う形で粛清されることがほとんどですから、
それだけに、一般市民に与える影響を考えると、
マスコミや警察が連日大きく報道するのも頷けます。

本来、親から絶縁・破門を言い渡された者は、
すぐさま全国の組織に廻状が回り、
処分を受けた者との縁組や交遊など、
一切の付き合いを禁じられます。

それは、ヤクザ社会からの追放を意味しますが、
刺青があり、指もない者が、ヤクザ社会以外で生きていくことが
どれだけ難しいかは、想像に難くありません。
しかし、それでもなお、ヤクザ社会に嫌気がさし、
ヤクザ社会を去る者が増えていると聞きます。

余談ですが、先にも書いたように、
本来、組織を抜けることは許されないですが、
“それでも”と言う場合は、ほとんどの場合で金で解決する。
昔のように、指を持っていっても
「そんな金にならんようなものいらん!金持ってこい!」と。
結局金がない者は、それまで通り組に残るか、
どこか遠くへ飛んで(逃げて)名や素性を隠し、
息をひそめて暮らすことになります。

先に、絶縁と破門と書きましたが、
絶縁は、組織からの永久追放のみならず、
他の組織へも移ることができません。
つまり極道社会からの永久追放ですが、
ほとんどの場合は、トラブルによる追放ですので、
生臭い話になりますが、組織に追われ、
「絶縁=本当の死」となるケースも多いようです。

次に破門ですが、これは会社でいえば停職処分のようなもの。
一定の期間を経て、改心できたようなら、
親分から破門をとかれ組織に復帰することができます。

今回の神戸山口組に対する処分は、絶縁と破門に分かれました。
絶縁は、山健組・宅見組など五団体。
残りの八団体には、破門が言い渡されました。

ここから、六代目山口組の意図が見てとてます。
山健・宅見組等は首謀団体として、決して許すことはできない。
しかし、残りの団体は、山口組へ復帰できる処分。
ここが、神戸山口組に対する揺さぶりであり、
カードとなっているようです。

③へつづく
===================

暴力団の歴史を振り返ってみますと、
これまでも、幾度となく一般人が犠牲になったり、
多くの方が、犯罪の巻き添え・被害者になられています。

昔の東映映画出てくるような、
「弱きを助け強気を憎む」
任侠の心はどこへ行ったのでしょうか?
一刻も早く、事態が収拾し、
更なる犠牲者が出ないことを祈ります。

さて、今回も、
「続・被差別部落と暴力団:山口分裂報道をきっかけに再考する②」
と題し、最近の情勢を交えて、暴力団の実態に迫ってきました。
次回も引き続き、この問題について取り上げます。

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