~~~はじめに~~~

         「被差別部落」…皆さんはこの言葉を聞いてどう思われますか?
          私が、このブログを始めることにしたのは、職場で「○○地区は危ない」などと

          “心無い会話”が聞こえてきたからでした。それも複数の方から…。

          政策的には、約150年前に「解放」されたはずの被差別部落ですが、

          職場だけではなく、インターネットやパルプマガジン(低俗雑誌)などで、今尚、

          多くの差別があることを実感します。被差別部落出身の妻と結婚し、

          部落の暮らしを知る中で「部落の良さや暖かさ」を皆さんに伝えたいと思います。


         ※「生い立ち編」は、長期連載になります。少々長くなりますが、初めから

          読んで頂くことを強くお願い申し上げます(コチラからどうぞ)

2015年1月8日木曜日

部落の食文化-2:油かす

前回「被差別部落の正月風景」の中で、
「油かす」の話が出てきました。
それ以外でも、度々当ブログには油かすが登場いたします。
ただ、よくよく考えたら、
油かすの説明をしていないことに気づいたのです。
読者の皆様、油かすを知っている方も多いかと思いますが、
あえて、今回はワンコーナー設けさせて頂きます。
題して「油かす特集!!!」

では、どうぞ。

=================

   
「油かす」というのは、石鹸用の油を取るために、
牛や馬の大腸や小腸をカリカリになるまで揚げた残りカスです。
油を抜いてあるので、状態とすれば、
ホルモンを2~3日置いておいて、乾燥した感じでしょうか?

・・・うーん。
これでわかりますかねぇ?
何とも、私の表現力がたらないもので・・・。
参考に、写真を載せておきます。

“かす”と名前がついて入るものの、
今や、ものすごく高級で、100gあたり5~600円程します。

多分想像ですが、取った油の価格よりも
油かすの方が高価だと思われます。
そりゃ、スーパーでも、100g500円の肉なら
結構いいのが買えますものね。

部落に伝わる食材の一つである油かすは、
これまで、一般には知られておりませんでしたが、
最近のB級グルメブームで随分と知れ渡たり、
世間一般に認知されてきまました。

以前は、部落内の肉屋でしか扱っていなかった油かすや
さいぼしも、近頃は近所の肉屋でも並ぶようになりました。
うどん、お好み焼き、野菜炒め・・・etc
店舗で提供される商品に油かすが使われるのも珍しくなくなってきました。
こうして、部落の伝統・文化が一般にも受け入れられることは
すごく嬉しいことですし、これらの食べ物を通して、
部落のいいところを知っていただけるようになれば、
差別が無くなる要因の一つになるのではないかと考えます。

余談になりますが、よく差別をなくす早道は、
「部落に人をどんどん入れて部落民濃度を薄める」、
逆に「部落民が部落外に出ていって散ればればいい」
と言う事を、しばしば耳にします。

部落民と部落外民をごちゃ混ぜのチャンプルーにすれば、
誰が部落民で、誰が部落外民かわからなくなって、
そのうち有耶無耶になってフェードアウト的に部落が消滅するという・・・。
これを私は便宜上勝手に「部落希釈論」と名づけていますが、
これは、私の考える部落解放ではありません。

私の解放理論というのは、
「部落民が、部落民である上での部落解放」なのです。
つまり、部落であることを自他共に認めた上での付き合いなのです。

例えば、今から半世紀ほど前までは、
本土に渡ってきた沖縄の方は、相当な差別があったと聞きます。
特に大阪の大正区は、沖縄出身者が多く集まり
一大コミュニティができているのですが、
それでも、かなりの攻撃があったようです。

しかし、リゾート地である沖縄の良さや、
ミュージシャン・俳優・スポーツ選手などの活躍もあり、
沖縄が理解され、今や「差別も無くなった」と言っていいかと思います。

「君、どこの出身?」
「僕は沖縄だよ!」
「えっ!沖縄!海も綺麗やし。いいなぁ。凄いね~」などと
羨望の眼差しさえあります。

真の部落差別の撤廃ということは、こういうことだと思います。
部落民は部落のアイデンティティを持ち、
部落外民は部落を理解し認める。
決して、部落を希釈するのではないのです。
いや、希釈をしてもいいのですが、それでも、
部落民であるアイデンティティは大切にせなければんりません。

また、どちらかの一方通行ではいけません。
部落民、部落外民双方が理解し、
打ち解け合う努力をせねばなりません。

そうすれば・・・
「君、どこの出身?」
「僕は部落出身だよ!」
「えっ!部落!食べ物も美味しいし。いいなぁ。凄いね~」となる日が、
やってくることを信じてやみません。

あ、話がそれてしまいましたので、
本題に戻しましょう。

==================

さて、この油かすですが、
写真を見ていただければ分かるように結構大きなものです。
直径10cm、厚さ3cmほどです。
これを、細かく切って料理素材として使用するわけです。

外側の茶色い部分は、「噛めば噛むほど味が出る」といいましょうか、
吸い取った調味料と、揚げた香ばしさが何とも言えません。
そして、内側の白い部分は、丁度ロウのような感じです。
熱い料理に用いると、程よく溶け込みます。
油を取った残りカスなのに、やはり脂分なのですね。

油かすといえば、大好きなのが「かすうどん」です。
暖かいうどんの上に、細かく刻んだ油かすを程よく煮込んだ、
河内(かわち)名物のうどんです。

私が、子供の頃に流行った歌に
「河内のオッサンの歌」というのがありますが、
その河内です(わかりますか?)

大体の場所とすれば、
大阪府の藤井寺・羽曳野・松原辺りですが、
この地域は、兎に角、食肉産業が盛んで、
「と畜場」(昔は屠殺場と言っていましたね)も各所にありますし、
地区内に入れば、大小各々の食肉加工所が多々あります。

今、私の手元に、一冊の写真集があります。
題名は、ズバリ「屠場」。
写真家で、映画監督、プロデューサーをされている
本橋成一氏が、大阪府M市の屠場を長年かけて写真に収めた
とても貴重な写真集です。
本橋氏は、昨今話題の映画「ある精肉店の話」の
プロデューサーをされておりますが、その元ネタは、
この現場(M市営屠場)で取材をする中で仕入れたそうです。

この、写真集「屠場」の中に、誠に興味深い写真があります。

トラックの荷台にイッパイに積まれた内臓です。
写真説明には、「解体時に取り除かれた脂身もまた業者に引き取られ利用される」と
ありますので、どうやら、これが油かすの元の姿のようです。
コレを業者が引き取り、油を抜いて石鹸などに用いられるのです。

私が度々訪れるのは、大阪府H市にある、
食肉産業が盛んな被差別部落M地区内で肉加工品店を営んでいる
「ギンワ食品(仮名)」という店です。

この辺りは、改良住宅が立っておらず、
昔ながらの町並みが続くのですが、
どの家屋も軒にクレーンや大型冷蔵庫があり、
食肉産業が本当に盛んなのです。
ほとんどが小さな家なのですが、時折とてつもない豪邸が現れ、
食肉産業であるムラの豊かさを垣間見ることが出来ます。

改良住宅が建っていない地区内は、クネクネとまるで迷路のよう。
とても車では入れない路地も多く残っておりますが、
各家は、建て替えがなされており、街としては美しいです。
このあたりのことは、いずれ「見て記・行って記・被差別歩記」の
コーナーで詳しく取り上げるとしましょう。

この店に行けば、自家製さいぼしと油かすを買って帰ります。
油かすは、半乾状態ですので、そのままでも暫く保存が効きますが、
お店の方曰く、刻んで冷凍しておけば長期保存できるということです。

入手としては、部落内の肉屋で購入するのが確実ですが、
難しい場合は、通販サイトを利用するか、
最近は、大きな食肉専門スーパーもできていますので、
そのような大型店では扱いがあるかもしれません。


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10 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも楽しく拝読し、勉強させていただいております。

さて、「部落民が、部落民である上での部落解放」確かに理想ではある。
しかしながら、そもそも「部落」が差別用語でありメディアで扱うこと自体タブーであること、一定数どころか相当数いる政界、芸能界等の地区出身著名人が一部例外を除いて決して自ら出自を話そうとしないこと、こういった現状を鑑みれば、個人的には現実的ではないように思う。私は必ずしも地区内の人が外に出ればよいという考えではないが、最低でも地区外の人と同じ生活をすること、つまりあらゆる利権を放棄し、同和教育というものをなくし(地区外と同じように道徳の授業で学べばよい話である。)、あらゆる施設を地区外の人々に向けても開放することである(これも現状ではまだまだ未達成)。貴方のおっしゃる通り、実は同和対策事業自体は名目上はとうに終了しているわけだが、実際にはまだまだ優遇と呼べるものが残っている。だから周囲の「私たちとは違う」といった視線が消えないのである。

以下に述べる、地区の独占事業と言っていい食肉事業もその一例であろう。F市のM地区と書いておられるが、おそらくこれはH市のM地区の誤りだと解釈し、(違っていたら謝罪致しますので、その場合は是非歴史を含めてご教授いただきたく。私は大阪府F市で食肉産業が盛んという事実は聞いたことがないので)書かせていただこうと思う。
H市のM地区。ここは確かにM市の某地区と並び、大阪府下を代表とする食肉産業の盛んな地区であり、また悲しいことに激しい差別のあった「被差別部落」である。しかし、ここに「とてつもない豪邸」がいくつかあるのは、決して豊かさの象徴という側面だけで語られるべき話ではない。もう10年も前になるだろうか。BSE問題が発生したとき、制度を悪用し大金を不正に所得したとする牛肉偽装事件でこの地区の「ボス」が逮捕される事件があった。詳しく書くことは控えるが、その際に首謀者が過去に行ってきた「悪行」や反社会的団体との「黒いつながり」、そしてどのようにして巨万の富を築いたか、このあたりが地区外の人々にまで知るところとなってしまった。

これは10年も前の話なので現状がどうかはわからないが、例えば「屠場」は今でも地区の人々専門の職場である。たしかにひと昔前は「他の人がやりたがらない仕事」だったのであろうが、不景気のこの世の中、安定して実入りもわるくない仕事に、多少の困難は伴なおうとも挑戦したいと思う地区外の人もたくさんいるだろう。こういった「開放」も貴方が理想とする「解放」の第1歩に成り得ると思うのだが如何だろうか?

s sugi さんのコメント...

匿名さん。
コメント有難うございます。

おっしゃるように、所在地は書き間違いです。
H市が正解ですので書き直しました。

ハンナン事件は、同和利権であることは明確なので、私自身もハンナン事件を否定いたします。
ただ、今回の趣旨としましては、
部落の良さとしての「油かす」をフューチャーするコーナーですので、
事件を批判することは書いておりません。

この事は、「見て記・行って記・被差別歩記」で
書こうと思っていた題材ですので、
いずれ、記事にすることになるかと思います。

ところで、このブログへコメントいただける方は、
匿名名がおおいのですが、
匿名さんの区別がつきませんので、
出来ましたら、ハンドルネームでもいいので、
名前をつけていただけるとありがたいです。

s sugi さんのコメント...

追記
ところで、匿名さんはM地区へ行かれたことがありますか?

tak さんのコメント...

富士宮焼きそばで使う肉かすで検索していましてここにたどり着きました。
ハンナン事件には驚きました。
20年以上前まで羽曳野市に住んでいましたよ。
屠場自体は確かに地区の人しか入れなかったかもしれませんがハンナンミートは地区外の人も雇い入れしていましたよね。
うちは母ちゃんがパートに行っていました。
いい意味でお世話になったところです。今でも感謝しています。
小中学生の時、地区内に友達がいて自転車でなんども遊びに行った記憶があります。
当時も同和に関する意識はかなり希薄で大人になってからあそこが”同和地区”だったらしいという感じで特に今でも悪い感情はないですね。かなりご馳走にもなったし...
懐かしいです。
富士宮焼きそばで使う肉かすを食べて”あのとき味わった味”を思い出し投稿しました。
なんだか昔のことを思い出し投稿しました。

s sugi さんのコメント...

takさん。
こんにちは。
スギムラです。

興味深いコメントありがとうございました。
私も先日(12月)、M地区へ行きました。

目当ては、もちろん「油かす」です。
『かすうどん』を食べて、地区内のギンワ食品(仮名)で、
『油かす』を買って帰りました。

店のおばさんとも話をしましたが、
今は、部落外の方々が“さいぼしや油かす”を購入されることも多いそうで、
全国各地へ発送をしているとのことでした。

Takさんがおっしゃるように、
街の風紀も悪く無いですし、
私も、全く悪い感情は持っておりません!

関東人 さんのコメント...

はじめまして。
「油かす」に興味を持ったのは「地元料理を出したら客が離れた」という記事でした。
その店では「さいぼし」「かすうどん」がメニューに載っていたそう。それが部落差別だと・・・
自分は「うまけりゃなんでもいい」考え。早速、上原善広著「被差別の食卓」「被差別のグルメ」購入。
かつて小林よしのり氏が部落を訪問した際「部落はこんなうまいものを食ってるのか!」と驚いたそう。
自分は「一般」ですが、昭和30年代以降の生まれには、部落に対する差別意識はないと思います。
ただ、解同の過激な行動や、同和利権による金儲けは、新たな差別を生むと思います。

流れ者 さんのコメント...

こんばんは、私も小林よしのり氏が部落を訪れた際に「こんな美味いものを食べていたのか」と言うのは著書「ゴーマニズム宣言」で読みました、氏は「例えば駆けっこで言えばこういった差別と言うのはスタートラインにも立てないのと同じ、例えそういった差別があろうとも実力で他と差がついてしまったら誰も文句は言えない」と。私もそうだと思います、部落の人々は私達に代わって人がしたくない仕事をしているのですから本来は感謝すべきだと思います。

s sugi さんのコメント...

流れ者さん
こんばんは。
先日もコメントありがとうございました。
ゴー宣のその場面、私も印象に残っております。
(かれこれ10年以上ページは開いておりませんが・・・ww)

たしかに、部落民は、人のしたがらない仕事をやっていましたが、
先人達がすごかったのは、その仕事に誇りを持っていたことです。
甲冑や馬具に始まり現在なら靴・鞄等の皮革製品、そして食肉文化。

私たちが現在こうして豊かな生活を送れるのは、
流れ者さんがおっしゃるように、
人のやりたがらない仕事を、誇りを持って行ってきた
先人たちの力があった事も忘れてはいけませんね。

流れ者 さんのコメント...

こんばんは、返信有難う御座います。私の先日のコメントは承認されなかったのでしょうか?
何処を探しても見つかりません、自分で読んでも良く分からない文章で書いた後「これ承認されるかな?」と思いましたが見ていただいたので良かったです。

s sugi さんのコメント...

流れ者さん
こんばんは。
両方共コメント公開していますよ!
最初の方は、「はじめに」に投稿されていました。
コメントは、差別的な内容を含まないかぎり
(当ブログへの批判も)掲載していますので、
奮ってコメントして下さいませ。