~~~はじめに~~~

         「被差別部落」…皆さんはこの言葉を聞いてどう思われますか?
          私が、このブログを始めることにしたのは、職場で「○○地区は危ない」などと

          “心無い会話”が聞こえてきたからでした。それも複数の方から…。

          政策的には、約150年前に「解放」されたはずの被差別部落ですが、

          職場だけではなく、インターネットやパルプマガジン(低俗雑誌)などで、今尚、

          多くの差別があることを実感します。被差別部落出身の妻と結婚し、

          部落の暮らしを知る中で「部落の良さや暖かさ」を皆さんに伝えたいと思います。


         ※「生い立ち編」は、長期連載になります。少々長くなりますが、初めから

          読んで頂くことを強くお願い申し上げます(コチラからどうぞ)

2017年4月4日火曜日

部落の食文化-3 フク・フクゼン・フクカス

これまで、サイボシや油かすなど、
部落で長きに渡って食されてきた食材・料理を
紹介するコーナー「部落の食文化」。

やはり、部落の食文化ってことで“肉”を使った
食材・料理がメインになるのですが、
“肉”については、部落は非常に長い歴史と文化を持っております。
その長い歴史が、上手に工夫して美味しく食べる術を生み出しました。

しかしその反面、それらの食材・料理も、その歴史と反比例するように、
長い間世に出ることはなく、部落の中だけで食され受け継がれてきました。

それは穢れ意識であり、差別につながっていたのですが、
近年は、その垣根もずいぶん低くなったと同時に、
B級グルメ・ソウルフードブームの影響もあって、
部落の料理や食材が少しずつではありますが
一般に浸透していることは非常に感慨深いことですね。

今日は、その中でも一般での流通量が非常に少ない
「フク」を紹介いたします。

皆さんは「フク」をご存知でしょうか?
地方によっては、フク・フクゼン・フクカス・フグ・フワ・バサetc・・・と、
かなり多くの方言が存在しますが、
全国共通語に直しますと『牛の肺』なのです!!

牛の内蔵・ホルモン類の中でも、
一般地区的にはマイナーな部位なのですが、
被差別部落では超メジャーで、
人気が高くて誰もが知っている食材の一つです。
まさに、全盛期のイチローを思わせるメジャーぶりです。

さて、コチラがフクです。

嫁の部落では『フクゼン』と言っています。

タマに奈良県へ行くと、Tと言う部落に寄ってフクを買って帰ります。
T部落は、奈良県随一の食肉産業が盛んな部落で、
羽曳野ほどではないですが、結構な数の食肉工場や食肉卸があり、
中に数軒、小売をやっているお店があります。

ずい分前に、私が初めて「フク」を買って帰った時、
嫁は「こんなん知らん~、食べたことない」と言っていましたが、
それは、大きな勘違いで、その方言の多さが原因でした。


このような表示で販売されているのですが、
まず、“油カス”と言う表記に騙されたようです。

つまり、いつもの油カスとフクゼンが一致しなかったようですが、
天ぷらにして食べたら「アッ!!フクゼンやんか~」と。

どうやら実際に食べた時に「油カス(フク)」と、
慣れ親しんだ『フクゼン』が繋がったようです。

さて、このフクですが、食肉産業が盛んな羽曳野のM部落で生まれ育ち、
精肉業をされているNさん(被差別部落の暮らし:食肉顧問)によると、
M部落では『フグ』と言うそうです。

さ~て、又新たな名前が出て、いよいよ混乱してきましたが、
私はこの名前を聞いて「ハッ」としました!!

今まで、「フク」だから気が付かなかったけれど、
「フグ」と聞いて、フクの語源が分かった気がしたからです。
(あ~ややこし~)

魚の「フグ」で有名なのが下関のトラフグですが、
本場下関では「フク」と言いますね。
(魚まで出てきて、もっとややこしいやんか~)

将に、今回のテーマである“牛の肺”と同じ方言、
フクとフグになっています。
そして、フグ(魚)の語源の一つに「ふくれるからフク」
と言うことが言われていますが、
牛に限らず、肺というのはふくれますから、
牛のフクも「ふくれる」状態を形容したものかも知れません。
フグは、フクが変化したものでしょうね。

他にフワと言う語もあるそうですが、
これも、フワフワと言う地域もあるようで、
風船のようにふくらんでフワフワしているという形容語だと思われます。

・・・あくまで推測ですが。
でも、イイ線いってると思います。

ただ、嫁の部落の方言である『フクゼン』の“ゼン”や、
バサと言う方言はよく分かりません。
意味を知っている方がおられたら教えて下さいませ。

あぁ、そう言いえば、フクの方言を探している時に、
面白い事を発見しました。
『ハイサイ沖縄方言』と言うサイトによりますと、
【沖縄方言フクの意味は肺です】とあります。

じゃぁ、ホルモンのフクも沖縄が語源か?と言うことになりますが、
それは、ないと思います。
恐らく同時発生的な形容表現かと。

話は、戻りまして「油カス(フク)」の表記についてですが、
奈良県のT部落の方は『フクカス』と言う表現をされていました。

フクの油カスだからフクカスなのでしょうが、
私達が油カスと聞くと、腸を揚げて油を抜いた
例のカリカリの油カスを思い浮かべるのですが、
これも、油カスとなっています。

しかし、売られている「フク」は、火が通してあるものの、
柔かくって、とても油が採れるようなシロモノではないような気がします。

そこで前出の食肉顧問のNさんに聞いてみました。

「奈良のT部落では、油カス・フクカスと言う表現をしていましたが、
フクから油は採れるものなのでしょうか?」

すると、Nさんは
「う~ん?無理やと思うけどな~」と言っておられました。

私は生の状態を写真でしか見たことが無いのですが、
どうも、油が採れるような部位ではなさそうです。

ただ、先程も書いた通り、販売されている状態は恐らく湯引きされ、
火が通っている状態ですから、その際に少量の油が採れるのかもしれません。


さて、肝心の食べ方と味の方ですが、
私には、クックパッドに投稿するような調理・工夫も、
彦麻呂(古~)のような豊富なボキャブラリーもありませんので、
つまらないレポートになるかと思いますが、
なんとか書いてみましょう。

まず、調理法は・・・天ぷらです。

オーソドックスすぎて何の工夫もないですが、
シンプルイズベスト!!
これが、本当に本当に本当に美味しい。

肉質はフワっという表現が適当なくらい柔らかで、
ホルモン独特のクセや匂いも気になりません。

味は、レバーを少し薄味にしたような感じで、
「肉の宝石箱や~」とまでは行かなくても、
「肉の弁当箱」(意味わからんねぇ。ボキャが少なくてすんません)ッて感じです。

他にはそうですねぇ・・・
湯引きしてあるのですが、
今一度火を通して生姜醤油、そこに七味でも効かせれば、
最高の酒の肴になりますし、
まだ、食したことはないのですが、
レバーの代わりに、ニラレバならぬニラフクなんてものも
ありかもしれませんね~。

そして、何より懐に優しい!
これ又最高!!!

なんせg=129円ですから!!

最近はホルモンや油カス、サイボシなど、
部落の食材もずいぶん高くなっていますが、
フクはまさに庶民の味方です。

ただ難点は、そうやすやすと手に入らないことでしょうね。
スーパーなんかでは先ず見かけませんし、
一般の精肉店でも置いてないでしょう。

やはり、部落内の精肉店か、部落の方が経営されている
精肉店を探さねばなりませんね。
でも、そのような店でしたら、
店先で天ぷらにしてあるフクを売っていることもあります。

誠、手に入りにくかったらインターネットで検索すれば、
通販をやっている精肉店もありますね。

そんなわけで、今日は、
皆さんにも、ぜひとも味わって頂きたいフクの話でした。

次回は、フクにまつわる被差別部落のエピソードを書いてみたいと思います。


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