ありがとうございます。
先日の投稿記事「川の向こう側」如何でしたでしょうか?
沢山の方々にお読みいただきまして、
この場で感謝とお礼を申し上げますm(_ _)m
コメントもたくさんいただきました。
「叱咤激励」という言葉にふさわしく、
当ブログに関するご意見や応援などを頂戴いたしました。
いずれの御方に置かれましても、文面は違えども、
皆様の差別解消に向けての思いが
ひしひしと伝わってくる素晴らしいコメントです。
さて、今回は、その中でも一つ気がかりな事がございまして、
この場を通して、再度、
コメントに対するアンサーをさせていただくことにしました。
事を簡単に説明いたしますと・・・。
「川の向こう側」に対するコメントを“匿名さん”(コメント欄の上から3~4件目)から
頂きましたが、当方の都合で返信ができずに居りました。
そんな中、当ブログにご訪問頂いたお客様(コメント欄の上から5件目)から
コメントを頂いたのですが、お返事の文面から察する所、
どうやら、“匿名さん”はお客様のコメントを、
私の見解としてお受け取りになったようで、
再度、“匿名さん”の見解として、お返事(コメント欄の上から6件目)を頂きました。
過日、私の見解をコメント致しました。
その際には、「運動団体や同和利権」については、
時期尚早(その前に、書いておかなければならない事がまだまだあるため)と
考え、その場では深く見解を述べる事は致しませんでした。
しかし、私の心のなかにも、これは、
非常に大切な問題であると言う考えはございまして、
この度、「川の向こう側」に頂いたコメントについてのアンサーということで、
記事を設けた次第であります。
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今回、匿名さんに頂いたコメントに付いての私の所見を述べる前に、
大前提と致しまして、私のスタンスと、同和施策の現状について
整理をしておかなければなりません。
★【私のスタンス】
このブログを書くに当たり、私が最も大切にしていることは、
「公平性と事実に忠実」と言うことです。
私は、部落解放同盟他、どこの運動団体にも所属しておりません。
なので、特定の運動団体のみを美化したり、
逆に敵対視するわけではありません。
「良いことは良い、悪いことは悪い」と、ごく当たり前の事ですが、
私の中のモノサシで判断し、事実を曲げることなく、
かつ主義・主張に囚われることなく自由に書くことが出来ます。
また、昨今、メデイアやHP上には、
部落に関する沢山の記述があります。
例えば、かなり前になりますが、
宝島社から出版された「同和利権の真相」と言う、
部落解放運動のダークな部分を批判する本が出版されました。
対して、部落解放同盟が「同和利権の真相」を批判する
「同和利権の真相の深層」を出版しました。
私は、それらの本が発売されるとすぐに買い求め、
両本とも読みました。
その理由といたしましては、
やはり、「公平性」と言うものを大事にしたいと考えるからです。
どちらか一方の主張だけでなく、それぞれの主張をよく読み、
私のモノサシで判断し、正しい答えを引き出すことが大切だと常々考えています。
次に、このブログでも詳しく書いていますように、
現在は、私も部落出身の妻を持ち、
部落差別解消に向けてこのブログを続けていますが、
幼少~青年期には部落を差別していた“差別者”の一人
であったと言うことです。
それと同時に、私自身、部落を“外と中”から見てきました。
妻と結婚する前に、すでに差別者からの転換を迎えていましたが、
結婚して、部落を「中から」見るようになって、
被差別部落に対する、自身の考えも更に大きな転換を致しました。
以上のような事から、
より公平に物事を見ることが出来るようになりました。
「先入観なく、物事を客観的に見て正しい判断を行う」
簡単に言いますと、これが私のスタンスです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次に、同和施策の現状を報告いたします。
★【同和施策の現状】
水平社創立~戦後、緩やかにかつ、
単発的に細々と行なわれてきた同和施策は、
昭和44年の「同和対策事業特別措置法」の制定を基に、
本格的に改善事業が始まり、ようやく多くの被差別部落で、
憲法第25条が謳っているように、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
“暮らし”ができるようになりました。
「同和対策事業特別措置法」を始めとした
同和関連の法律はその後、三度、名を変え、
最後の「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」
の期限終了を基に、平成14年、
33年間に渡る同和対策事業も完全終了いたしました。
この間、何度も書きますように、
部落解放運動及び、行政による同和施策は、
部落の生活改善に大きな役割を果たしたことは、
紛れも無い事実であります。
その施策が完全終了して12年。
同和地区も、大きな転換を迎えました。
長年「同和地区住民だけのもの」として使用されてきた
隣保館や解放会館を始めとする同和関連施設、
所謂“同和地区のランドマーク”は、今や、その名称を変え、
一般地区住民も自由に使用出来る施設として、
広く開放されております。
また、少子化が叫ばれて久しい割には、
全国各地で、保育園・幼稚園での待機児童問題が浮上しております。
同和地区内には、ほぼ、公営の保育所が設置されているのですが、
それらの、保育所も、待機児童解消のために一役買っており、
地区住民の高齢化が進んでいる同和地区において、
今や、地区外児童のほうが、圧倒的に多く登園している現状が有ります。
また、度々「逆差別」と俎上に上がる
各種の優遇措置については、
最もわかりやすい“家賃”を例に、現状を報告いたします。
同和関連法が施行されていた当時は、
確かに、家賃は他の公営住宅に比べ安く設定されていました。
しかし、法律終了後は、
国の解釈としては「同和問題は解消された」ので、
家賃も他の公営住宅と、何ら変わらない金額になりました。
つまり、地勢価格や建物の資産価値を考慮しながら、
世帯収入に応じて、家賃が設定されております。
ちなみに、妻の実家では、
対応年数を過ぎた改良住宅の立て直しで、
平成15年に建て替えられた比較的新しい改良住宅に入居しており、
その家賃は、月に約10万円です。
それだけ払えば、地区外に家を持つことも可能です。
私も以前「お義母さん、そんなに払ってるのやったら、家買わへんの?」と
聞いたことがあるのですが、定年間近の義母は、
「今更生まれ育った土地から出るのはイヤ」と申しております。
他の方々もそうだと思います。
年老いてから、長く住み慣れた土地から離れるのは、
どれほど酷な事か、想像に難くないでしょう。
ただし、若い世帯は地区外へ出てる方々が多です。
部落の高齢化が指摘されている事情には、
このようなことがあるかと思います。
同和地区の浴場も、段階を経て大幅値上げされ、
現在は、地区外の銭湯と殆ど変わらない金額になっています。
このように、法律の終了と共に、
同和地区住民への同和施策・優遇処置は
現在、全くございません。
(国の見解=同和問題は解決済み)
このことを、まず始めに大前提として、
この場に記させていただきます。
====================
★【権利(ケンリ)と利権(リケン)】次に、私の見解といたしまして、
キチンと整理して置かなければならないのですが、
権利(ケンリ)と利権(リケン)は全く異なるということです。
その前提の上に、私の見解を述べさせて頂きます。
(*権利・利権と字が似ていますので、以下、カタカナで表記します)
第一に、同和リケンについては、匿名さん同様、
私もこれを否定いたします。
それは、ともすれば法を犯す、
つまり“犯罪”である要素も多分に含むからです。
“匿名さん”は私と考えが全く異なると書いておられるのですが、
リケンにつきましては、私も過去に当ブログで見解を述べております。
その時の、記事を以下に抜粋しておきます。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「部落の隣保館とは?」(2014年4月14日投稿から抜粋)
部落解放同盟が行ってきた運動によって、
部落の生活が大きく改善したことは、
最大級の評価を送ることが出来ます。
しかし、残念ながらその反面、
ごく一部の同盟員や幹部(ホントに一部です!!)の方々に於いては、
行政との癒着や利権がありました。
そのようなことから、日本共産党や反解放同盟、
又、一般地区の方々から、
同和優遇是正の声が上がりました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
実際の所は、残念ながら「リケンはあった」と
言わざる負えない現状です。
このことは、部落解放同盟も
認めておりますので間違いはございませんが、
ただし、“リケンはあった”と言うように過去の話。
又、当時でも、同和地区住民の特権階級に
属する極々少数の方々の話です。
殆どの同和地区住民には、
全く関係のない話なのでありますが、
それが、どうも、同和地区全体のように
聞こえてしまっているのです。
それには原因があると考えます。
その原因というのが、「リケンとケンリの区別がつかない状況」
になっているのではないかということです。
つまり、同和地区住民のケンリが広く知られていない為、
リケン問題と相まって、地区外の方々に
混同されているのではないかと言う懸念です。
「同和事業」と聞くと、何もかもが全て「リケン」という事に
結びついていると考えられているのではないかと懸念するのでありますが、
実は、「同和事業」は、そのほとんどが、
国から認められた「ケンリ」なのであります。
ただ、それらのケンリが、「差別の温床」であるということに関しては
それを完全否定しなければいけません。
同和施策は、国・地方自治体の
法律・条例に基づいて行なわれており、
我々が選んだ国会議員・地方議員により
決議・承認された「ケンリ」なのです
つまり、言い換えれば、我々が同和施策を認めているということです。
これは、どんな法律でもそうですが、
当然のことながら、全ての国民がおしなべて賛成という
訳にはいかないこともあるでしょう。
しかし、民主主義の原理として、
確かに、私も以前は「何で部落は家賃が安いんだ?」などと
同和行政に疑問を持っていた時期もありましたが、
同和行政に関しての見聞を広げていくうち、
それは、「私が無知なだけ」だったと気がついたのでした。
=====================
一方、未指定地区についてはどうでしょう?
このブログを御覧の皆様については、
未指定地区については、既にご承知のとおりかと思いますが、
再度、簡単に説明しますと、同和地区として地区指定されなかった部落です。
地区指定をされていない部落なのですから、
一切の同和施策が行なわれておりません。
では、同和施策が行われていない未指定地区では、
部落差別はないのでしょうか?
答えとしては、歴然として「ある」と答えなけれればならないケースが
圧倒的に多いのです。
未指定地区は、地区戸数が3戸とか5戸とかの
小さな部落が多かったり、田舎村の一角に存在したりと、
むしろ同和地区指定された部落より、
より深刻な差別がある場合が多いのです。
(差別に大小は無いですが・・・)
話が戻るようですが、再度、属地について考えてみますが、
はたして・・・
◎同和地区(被差別部落)に居住しているから
差別を受けるのでしょうか?
◎同和地区に居住の方々が皆さん、
他地区へ転居すれば部落差別はなくなるのでしょうか?
私は、声を大にして、この答えはNOと言えます。
皆さんご存知かもしれませんが、
“人権板”と呼ばれる差別的なスレッドが乱立している
2ちゃんねる上において、部落出身者や
在日の有名・芸能人を晒すスレッドが有ります。
スレッド中の有名人たちの出自の
信ぴょう性は、疑わしいものもかなりありますが、
中には本当に被差別部落出身者の名前も晒されています。
例えば、もう亡くなられましたが、
自ら「部落民」を公表している
名俳優・三國連太郎さんの名前も挙がっています。
静岡県沼津市にある三國さんの自宅は、
さすが、国民的名俳優ということで、
豪邸と呼ぶに相応しい非常に大きなご自宅です。
テレビで芸能人、有名人の自宅訪問番組がよくやっています。
「家賃は数十万」とか、「総工費何億円」などという話をよく聞くなかで、
部落出身の有名・芸能人諸氏は、
きっと同和地区には住んでいないでしょう。
また、同和施策とも無縁だと思います。
同和地区から離れ大きな家を建て、一切の同和施策を受けなくとも、
「部落出身者」と言うことで、出自を探られ晒されるわけです。
これを差別と言わずに何と言いましょうか?
このことからも分かるように、部落(同和地区)に
住んでいるから差別されるのではないのです。
=====================
最後になりますが、差別が「差別する側・される側」双方の
努力と理解が必要なことは、このブログでも度々書いております。
その辺りは、“匿名さん”の主張とも重なる部分があるかと思います。
以下、それらの記事を抜粋しておきます。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
◎部落の同級生宅 (2014年4月20日投稿から抜粋)
「寝た子を起こすな」という考えも部落には未だ多いですが、
私個人としては、もっとオープンな交流があっていいと思います。
「部落」を隠すことなく、「部落」とは何なのか?を知ってもらい、
その上で、互いにわだかまりなく付き合いを していくことが、
真の部落解放につながっていくと思います。
(中略)
でも、その為にも部落のことを、 皆さんにも知っていただきたい。 それと、同時に部落の方々にも、 打ち解けあえる努力をしていただきたいです。
正直、部落の方々も、閉鎖的な部分は多いです。 どうしても、「中と外」と言う意識になってしまう。 この意識は、やはり、若者よりも年配の方々に多いですね。 今の、50代から下の世代は、 その様な意識は少なくなっていると思います。
年配の方々は、劣悪な環境で暮らし、 直接的な差別を経験された方も多く、 どうしても、閉鎖的になってしまわれるのも やむおえないかもしれませんが、 差別を本気でなくすのであれば、 一般人と部落民、双方に努力が いるのではないでしょうか。
(中略)
でも、その為にも部落のことを、 皆さんにも知っていただきたい。 それと、同時に部落の方々にも、 打ち解けあえる努力をしていただきたいです。
正直、部落の方々も、閉鎖的な部分は多いです。 どうしても、「中と外」と言う意識になってしまう。 この意識は、やはり、若者よりも年配の方々に多いですね。 今の、50代から下の世代は、 その様な意識は少なくなっていると思います。
年配の方々は、劣悪な環境で暮らし、 直接的な差別を経験された方も多く、 どうしても、閉鎖的になってしまわれるのも やむおえないかもしれませんが、 差別を本気でなくすのであれば、 一般人と部落民、双方に努力が いるのではないでしょうか。
◎バラック( 2014年5月14日投稿から抜粋)
行政は、国際情勢に左右されない
人道的な見地で対応することが必要ではないかと考えます。
又、反対に地域住民も国や行政だけに責任を負わせて
「おんぶに抱っこ」するのではなく、自分たちも努力し
改善する姿勢であって欲しいと思います。
互いにいがみ合うだけでは
問題は解決しないだけでなく、
新たな差別や諍いを生みだしかねません。
人道的な見地で対応することが必要ではないかと考えます。
又、反対に地域住民も国や行政だけに責任を負わせて
「おんぶに抱っこ」するのではなく、自分たちも努力し
改善する姿勢であって欲しいと思います。
互いにいがみ合うだけでは
問題は解決しないだけでなく、
新たな差別や諍いを生みだしかねません。
◎俺は部落のモンじゃ!(トラブル再び)(2014年6月7日投稿から抜粋)
部落、部落って・・・
こんなやり取りがまかり通った時代。
これでは、差別がいくらたっても無くなる訳がありません。
繰り返し、この場を借りて言いますが、
差別からの真の解放は、差別する方・される方お互いの“努力”が
あってこそ実現します。
そして、お互いの“理解”があってこそ実現するものなのです。
部落民は部落のアイデンティティを「脅し」という形で
持つのではなく、真の解放のために持つべきです。
一方、我々は部落=コワイ・ヤヤコシイではなく、
本当にに怖いのか? 本当にヤヤコシイのか?
イメージや風評、周りからの言い伝えではなく、
部落についての正しい理解と認識を持たねばなりません。
こんなやり取りがまかり通った時代。
これでは、差別がいくらたっても無くなる訳がありません。
繰り返し、この場を借りて言いますが、
差別からの真の解放は、差別する方・される方お互いの“努力”が
あってこそ実現します。
そして、お互いの“理解”があってこそ実現するものなのです。
部落民は部落のアイデンティティを「脅し」という形で
持つのではなく、真の解放のために持つべきです。
一方、我々は部落=コワイ・ヤヤコシイではなく、
本当にに怖いのか? 本当にヤヤコシイのか?
イメージや風評、周りからの言い伝えではなく、
部落についての正しい理解と認識を持たねばなりません。
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以上、非常に長文になりましたが、
今回は「川の向こう側」に頂いた“匿名さん”の
コメントについてのアンサーです。
それと、いつもこのブログを読んでいただいている
読者の方々、コメントを頂ける方々、
この場を借りてお礼申し上げますm(_ _)m
また、“匿名さん”の
>私はあらゆる差別、区別、利権(逆差別)には断固反対である。
と言うお言葉、非常に心強く、ありがたい気持ちです。
私は、今回大きな勉強をさせていただきました。
皆さんの差別解消に対するお考えは千差万別ですが、
それは、方法論であって、 「差別を無くしたい」と言う結論、
・・・「辿り着く先は皆さん一緒なんだ!」と言うことに気が付きました。
重ねて申し上げますが、
今回は、皆さん本当に有難うございます。
それと・・・
これからも「被差別部落の暮らし」をよろしくお願い申し上げます。
S.スギムラ
部落を皆さんに知ってもらいたい!
このブログを、多くの方に見てほしい。そして、
部落を知ってほしい。それが、差別をなくす早道だから・・・
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