『部落差別解消推進法』が成立したことは、
先日、このブログでもお知らせしたとおりですが、
その文末に、こう書きました。
この法律成立の“キーパーソン”が(鳥取ループを名乗る)宮部龍彦氏と。
一部には、「部落差別解消推進法」成立の背景には、
宮部氏が探し出し、復刻する予定であった「全國部落調査」が、
大きなファクターでったとの見方をされていますが、
宮部氏自身は、先日のネット放送で、
「この法案は、以前から出ていたもの」とし、
全國部落調査が、引き金ではない旨を説明されていました。
宮部氏のHPによりますと、「全國部落調査」とは、
昭和11年に“中央融和事業協会”内部資料として、
㊙扱いで出版されたようですが、
それが外部に流れ、やがて、時を経て、
部落差別史上、最も劣悪な差別事件の一つとして語られる
『部落地名総鑑』の原本になったと言われる出版物です。
氏が述べられている通り、実際に、ネットでの差別事象は、
全國部落調査発売云々の前に、
数えきれないほどの差別事象が氾濫していました。
特に、「2ちゃん」のカキコは、目を覆いたくなる様なものが、
かなり多く見受けられ、部落が身近な存在の私としては、
本当に怒り心頭。
しかも、大部分がききっかじりで、不十分な知識しかない、
誤った認識での書き込みです。
しかし、これが、今の部落差別の現状なのです。
つまり、誤った認識や迷信、友人や親からの言いくるめ、先入観、
不十分な同和教育、ネット社会がもたらす弊害・・・
これらが、差別者をどんどん増やしていくのです。
そんな中、ネット社会に踊りでたのが、宮部氏でした。
~宮部氏と当ブログ「被差別部落の暮らし」の関係~
実は、前回も少し述べたように、
氏のHP「鳥取ループ」(現在は「示現舎」に移転されました)に、
当ブログ「被差別部落の暮らし」のリンクを貼っていただいておりました。
当ブログを開設したのが2013年。
開設月も12月ということで、
丁度、三周年を迎えたわけですが、
開設早々、随分と早い時期に、
リンクを貼って頂いたことを記憶しております。
そういうわけで、氏も、
当ブログの存在を認識しておられるわけですが、
その頃には、既に、同和地区所在地の
情報公開等々の裁判を起こされており、
私自身、「なぜ。ここまで?」と言う思いと共に、
「このブログでも氏について書かなければ」と言う思いは、
いつも持ち続けいておりました。
それが証拠に、実は、丁度一年程前に、
鳥取ループ(宮部氏)のことを書こうと思い、
一度筆を執ったものが、下書きとして残っていました。
今までにも、何度か公開しようと思っていたものの、
お蔵入りになっていた文章です。
以下、その文章を、一年の時を経て、公開いたします。
今、改めて読んでみますと、概ね、好意的な内容になっています。
~一年前の下書きより・宮部氏について~
氏は、インターネットを中心に、アンチ同和行政の方々や、
部落に批判的な方々の支持を多数集めておられる活動家で、
数々の同和行政に関する裁判などで、
宮部龍彦さんと言う本名も知れ渡っております。
実は、私スギムラは、これまで記事にしてこなかったですが、
氏は、自身のHP「鳥取ループ」に、
かなり早い持期(当ブログ「被差別部落の暮らし」を初めて程無い頃)から
当ブログをリンクをしていただいており、
氏の存在は当方も以前より認識しておりました。
氏は、サイトの中で・・・
>個人の同和マニア、電子雑誌「同和と在日」編集長です。
趣味で同和について研究しています。
とおっしゃていると同時に、
>理由は様々ですが、
第一に「同和はタブー」だと思い込んでいる人をおちょくるためです
とも書いておられる。
氏の活動は、”同和地区を世間一般に公表すること”に尽きるのですが、
(宮部氏。この記事を読んでおられ、当方の解釈が間違っていたら謝罪いたします)
よく読んでみると、「おちょくる」とは言いがたい、
膨大な研究をされていることがよく分かる。
何の目的で被差別部落を晒すことに固辞しておられるのかは、
当方も図り知れぬところであるが、
いずれにしても、部落・同和関係者を始め、国家を含めた社会からは、
”差別者”のレッテルが貼られていることに間違いはないようである。
だが、氏に対する社会一般の批判や差別者のレッテルに対し、
私自身の解釈としては多分に相違が見られる。
先程も書いたように、ナゼ、
氏が部落の所在地を晒すことに固辞しておられるのかは解らない。
しかし、形はどうであれ、
氏が申すように「おちょくり」だけではない”何”かを感じるのであります。
それは、氏の活動=多額の費用と労力がかかるであろう
『裁判』という場で、司法に判断を求めていること。
又、氏のネットや書籍から得られる、
部落研究の熱心さに見ることができる。
私は、氏とは面識も交流もないが、
当ブログやツイッターをフォローして頂いてる事で、
氏には、当方の考えや意識が伝わっていると推測する。
このような事象から、私独自の解釈であるが、
私は氏に対して、世間一般に言われているような
「差別者」と言う認識は持っていない。
むしろ、部落問題解消に向けた「運動家」と言う面を拭えないのである。
現在、国や法務省の指針として、
同和地域を始めとする部落の地区名称や所在地を明らかにすることは、
「差別を助長する行為」としてタブーである。
タブーではあるが、そのタブーを打ち破り、
「同和地区・部落を晒すことによって
差別解消に取り組んでおられるのではないか」
という認識である。
つまり、同和行政が終わって一般地区化した旧同和地区を、
一般地区と見ておられる、又、
一般地区化したと、広く周知されたいのではないでしょうか?
先にも述べたように、氏の真意については、私は計り知れない。
しかし、形や方法は違えども、
行き着く先は当方と同じく、部落問題の解消ではないかと思っている。
何度も書くように、いずれにしても、氏の真意はわからない。
「わからないからわかりたい」とは人の常であります。
そのことからも、ぜひとも、氏とは個人的にお会いして・・・
いや、会うことがかなわないなら、
メール及びコメントに於いて、
氏に真相を確かめたいところである。
いずれにしても、鳥取ループ=宮部氏に於いては、
少なくとも私は悪い印象を持っていない事を書き留め、
今回は記事を終わらせていただきます。
~この一年の動き~
さて、以上の記事は、一年前に執筆し、
公開せぬままお蔵入りになっていた、
鳥取ループ=宮部氏に関する私見であります。
この記事を改めて読んでみて、
幾つかの点で、当時とは相違する部分も出てきました。
そういう訳で、宮部氏に関して、
現在の見解を書き記してみようと思います。
まず、宮部氏を取り巻く状況は、
ここ一年で大きく変わったのではないかと感じます。
そのきっかけは、やはり、先述した通り、
「全國部落調査」の復刻計画ではないかと思われます。
それまでにも、氏の活動として、同和地区名の公表を求めるなどの、
多くの裁判を抱え、中には最高裁へその判断を委ねるなど、
多大な労力と資金が掛かる活動や、
地区住民の個人情報検索サイト「住所でポン・苗字でポン」の公開、
「同和Wiki」サイトの運営或いは、
「全国部落解放協議会」と言う、ネット上での団体を立ち上げ、
そのHPに、全国各地の部落所在地をUPするなどの、
一般的に言う、“部落差別事象”を行ってきましたが、
解放同盟をはじめとする、各運動団体は、
それほど大きな糾弾運動はなされていなかったように捉えています。
しかし、氏が昨年末に、「全國部落調査」発見してからは、
状況が一変。
氏は、遂に復刊の動きに乗り出しました。
復刊といえど、「全國部落調査」そのものを再発するのではなく、
氏自身(恐らく?)がきちんと編集をしなおし、
オマケに現住所も書き加えるという熱の入れようでした。
そして、再発に先立ち、ネット上にそのファイルを公開したのでした。
それからは、部落解放同盟を始め、各運動団体からの告発による
発禁処分や、「全國部落調査」差し抑えの為のガサ入れ、
そして、大規模な糾弾運動の展開など、
一年前とは、状況が大きく動き、
現在は「全國部落調査・復刻版出版事件」や、
「同和Wiki」事件の被告として、
幾つかの裁判を抱えられているようです。
この様に、鳥取ループ=宮部氏について、
一年前の当方が感じ取っていた文章と、
その後の動きについて書いてきました。
次回は、これらのことを踏まえ、
現在の私見など、もう少し、
踏み込んで報告しようと思っています。
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