~~~はじめに~~~

         「被差別部落」…皆さんはこの言葉を聞いてどう思われますか?
私が、このブログを始めることにしたのは、職場で「○○地区は危ない」などと
“心無い会話”が聞こえてきたからでした。それも複数の方から…。政策的には、約150年前に「解放」されたはずの被差別部落ですが、職場だけではなく、インターネットやパルプマガジン(低俗雑誌)などで、今尚、多くの差別があることを実感します。被差別部落出身の妻と結婚し、部落の暮らしを知る中で「部落の良さや暖かさ」を皆さんに伝えたいと思います。

2016年12月25日日曜日

鳥取ループ氏は部落差別推進者か?:その1

~部落差別解消推進法成立の背景~

『部落差別解消推進法』が成立したことは、
先日、このブログでもお知らせしたとおりですが、
その文末に、こう書きました。
この法律成立の“キーパーソン”が(鳥取ループを名乗る)宮部龍彦氏と。

一部には、「部落差別解消推進法」成立の背景には、
宮部氏が探し出し、復刻する予定であった「全國部落調査」が、
大きなファクターでったとの見方をされていますが、
宮部氏自身は、先日のネット放送で、
「この法案は、以前から出ていたもの」とし、
全國部落調査が、引き金ではない旨を説明されていました。

宮部氏のHPによりますと、「全國部落調査」とは、
昭和11年に“中央融和事業協会”内部資料として、
㊙扱いで出版されたようですが、
それが外部に流れ、やがて、時を経て、
部落差別史上、最も劣悪な差別事件の一つとして語られる
『部落地名総鑑』の原本になったと言われる出版物です。

氏が述べられている通り、実際に、ネットでの差別事象は、
全國部落調査発売云々の前に、
数えきれないほどの差別事象が氾濫していました。

特に、「2ちゃん」のカキコは、目を覆いたくなる様なものが、
かなり多く見受けられ、部落が身近な存在の私としては、
本当に怒り心頭。

しかも、大部分がききっかじりで、不十分な知識しかない、
誤った認識での書き込みです。
しかし、これが、今の部落差別の現状なのです。

つまり、誤った認識や迷信、友人や親からの言いくるめ、先入観、
不十分な同和教育、ネット社会がもたらす弊害・・・

これらが、差別者をどんどん増やしていくのです。
そんな中、ネット社会に踊りでたのが、宮部氏でした。


~宮部氏と当ブログ「被差別部落の暮らし」の関係~

実は、前回も少し述べたように、
氏のHP「鳥取ループ」(現在は「示現舎」に移転されました)に、
当ブログ「被差別部落の暮らし」のリンクを貼っていただいておりました。

当ブログを開設したのが2013年。
開設月も12月ということで、
丁度、三周年を迎えたわけですが、
開設早々、随分と早い時期に、
リンクを貼って頂いたことを記憶しております。

そういうわけで、氏も、
当ブログの存在を認識しておられるわけですが、
その頃には、既に、同和地区所在地の
情報公開等々の裁判を起こされており、
私自身、「なぜ。ここまで?」と言う思いと共に、
「このブログでも氏について書かなければ」と言う思いは、
いつも持ち続けいておりました。

それが証拠に、実は、丁度一年程前に、
鳥取ループ(宮部氏)のことを書こうと思い、
一度筆を執ったものが、下書きとして残っていました。
今までにも、何度か公開しようと思っていたものの、
お蔵入りになっていた文章です。

以下、その文章を、一年の時を経て、公開いたします。
今、改めて読んでみますと、概ね、好意的な内容になっています。


~一年前の下書きより・宮部氏について~

氏は、インターネットを中心に、アンチ同和行政の方々や、
部落に批判的な方々の支持を多数集めておられる活動家で、
数々の同和行政に関する裁判などで、
宮部龍彦さんと言う本名も知れ渡っております。

実は、私スギムラは、これまで記事にしてこなかったですが、
氏は、自身のHP「鳥取ループ」に、
かなり早い持期(当ブログ「被差別部落の暮らし」を初めて程無い頃)から
当ブログをリンクをしていただいており、
氏の存在は当方も以前より認識しておりました。

氏は、サイトの中で・・・
>個人の同和マニア、電子雑誌「同和と在日」編集長です。
趣味で同和について研究しています。

とおっしゃていると同時に、
>理由は様々ですが、
第一に「同和はタブー」だと思い込んでいる人をおちょくるためです
とも書いておられる。

氏の活動は、”同和地区を世間一般に公表すること”に尽きるのですが、

(宮部氏。この記事を読んでおられ、当方の解釈が間違っていたら謝罪いたします)
よく読んでみると、「おちょくる」とは言いがたい、
膨大な研究をされていることがよく分かる。

何の目的で被差別部落を晒すことに固辞しておられるのかは、

当方も図り知れぬところであるが、
いずれにしても、部落・同和関係者を始め、国家を含めた社会からは、
”差別者”のレッテルが貼られていることに間違いはないようである。

だが、氏に対する社会一般の批判や差別者のレッテルに対し、

私自身の解釈としては多分に相違が見られる。

先程も書いたように、ナゼ、

氏が部落の所在地を晒すことに固辞しておられるのかは解らない。
しかし、形はどうであれ、
氏が申すように「おちょくり」だけではない”何”かを感じるのであります。

それは、氏の活動=多額の費用と労力がかかるであろう

『裁判』という場で、司法に判断を求めていること。
又、氏のネットや書籍から得られる、
部落研究の熱心さに見ることができる。

私は、氏とは面識も交流もないが、

当ブログやツイッターをフォローして頂いてる事で、
氏には、当方の考えや意識が伝わっていると推測する。

このような事象から、私独自の解釈であるが、

私は氏に対して、世間一般に言われているような
「差別者」と言う認識は持っていない。

むしろ、部落問題解消に向けた「運動家」と言う面を拭えないのである。


現在、国や法務省の指針として、

同和地域を始めとする部落の地区名称や所在地を明らかにすることは、
「差別を助長する行為」としてタブーである。

タブーではあるが、そのタブーを打ち破り、

「同和地区・部落を晒すことによって
差別解消に取り組んでおられるのではないか」
という認識である。

つまり、同和行政が終わって一般地区化した旧同和地区を、

一般地区と見ておられる、又、
一般地区化したと、広く周知されたいのではないでしょうか?

先にも述べたように、氏の真意については、私は計り知れない。

しかし、形や方法は違えども、
行き着く先は当方と同じく、部落問題の解消ではないかと思っている。

何度も書くように、いずれにしても、氏の真意はわからない。

「わからないからわかりたい」とは人の常であります。

そのことからも、ぜひとも、氏とは個人的にお会いして・・・

いや、会うことがかなわないなら、
メール及びコメントに於いて、
氏に真相を確かめたいところである。

いずれにしても、鳥取ループ=宮部氏に於いては、

少なくとも私は悪い印象を持っていない事を書き留め、
今回は記事を終わらせていただきます。


~この一年の動き~

さて、以上の記事は、一年前に執筆し、
公開せぬままお蔵入りになっていた、
鳥取ループ=宮部氏に関する私見であります。

この記事を改めて読んでみて、
幾つかの点で、当時とは相違する部分も出てきました。
そういう訳で、宮部氏に関して、
現在の見解を書き記してみようと思います。

まず、宮部氏を取り巻く状況は、
ここ一年で大きく変わったのではないかと感じます。

そのきっかけは、やはり、先述した通り、
「全國部落調査」の復刻計画ではないかと思われます。

それまでにも、氏の活動として、同和地区名の公表を求めるなどの、
多くの裁判を抱え、中には最高裁へその判断を委ねるなど、
多大な労力と資金が掛かる活動や、
地区住民の個人情報検索サイト「住所でポン・苗字でポン」の公開、
「同和Wiki」サイトの運営或いは、
「全国部落解放協議会」と言う、ネット上での団体を立ち上げ、
そのHPに、全国各地の部落所在地をUPするなどの、
一般的に言う、“部落差別事象”を行ってきましたが、
解放同盟をはじめとする、各運動団体は、
それほど大きな糾弾運動はなされていなかったように捉えています。

しかし、氏が昨年末に、「全國部落調査」発見してからは、
状況が一変。
氏は、遂に復刊の動きに乗り出しました。

復刊といえど、「全國部落調査」そのものを再発するのではなく、
氏自身(恐らく?)がきちんと編集をしなおし、
オマケに現住所も書き加えるという熱の入れようでした。

そして、再発に先立ち、ネット上にそのファイルを公開したのでした。

それからは、部落解放同盟を始め、各運動団体からの告発による
発禁処分や、「全國部落調査」差し抑えの為のガサ入れ、
そして、大規模な糾弾運動の展開など、
一年前とは、状況が大きく動き、
現在は「全國部落調査・復刻版出版事件」や、
「同和Wiki」事件の被告として、
幾つかの裁判を抱えられているようです。

この様に、鳥取ループ=宮部氏について、
一年前の当方が感じ取っていた文章と、
その後の動きについて書いてきました。

次回は、これらのことを踏まえ、
現在の私見など、もう少し、
踏み込んで報告しようと思っています。

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6 件のコメント:

白ギツネ さんのコメント...

うーん、お待ちしてましたよ。時々チェックしてましたが、全然記事でないんだものw鳥取ループは私も継続的に見てます。宮部氏については正義の露悪家が、だんだん加速度がついて行くところまで行っちゃった感じですね。ループの支持者も行政を食いものにする部落けしからん的な人が多いですね。実際、2ちゃんを見てるとオカルトじみた部落都市伝説が蔓延していて、正直笑っちゃいます。ただ、笑い事じゃないのは、社会全体がこの問題を腫れ物に触るように扱い、見えているのに見えていないフリをしてきた結果、という部分もあるわけで。よくわからないのに事情通ぶりたい人にとっては格好のネタだということ。知識がないから逆に話に尾ひれをつけやすいということ。それって差別構造そのものですよね。宮部氏の、その偽善的状況に揺さぶりをかけたいという動機は支持します。ただ、宮部氏という「反活動家」が「活動家とそれに迎合する人々」だけをターゲットにして独善的に闘ってる感じもありますね。巻き込まれたくない活動家でもなんでもない部落出身者の被る迷惑はどう考えているのか。そこが引っ掛かるんです。

牛乳 さんのコメント...

まだ途中までしか見ていませんが、割と主さんと年が近い気がします。
私は、歴史の浅い土地で生まれ育ちました。
小学生、中学生、もしくは高校生と部落差別についてまったく触れた事がありませんでした。
なので差別とかも全くわかりませんでした。
部落=田舎=村 のような感覚です。
引越で部落がある、もしくはあった土地の近くに引越できましたが、部落差別の意味や内容もわかっていませんでした。
部落には昔、悪い事(犯罪系)をした人がいたという事もわかりました。(周りの話で)
でも昔は昔、今は今だし別に部落出身だからって差別する意味がよくわかりません。
私にとっては、部落=田舎=村 という感じなので・・
大体が親に言われたとか周りの人が・・という感じなのでしょう。
古い人程、部落だから!!みたいな言い方をしますが、部落の意味も理解してきたので、部落が差別用語とも思いません。
飲食店で郷土料理を出したら人がはなれたのも意味がわかりません。
おいしそうではありませんか!!
むしろ家で作りたいくらいです。
地元の馴染みのある料理を差別的な感じにされるのは、悲しいですね。
私も地元の郷土料理的な物がるので・・
その人が嫌いで嫌うなら構わないけど、出身がというだけで見方をかえるのは間違ってますよね。
この記事とはあまり関係のない内容になってしまいましたが、この先も読んでいきたいです。

被差別部落の暮らし さんのコメント...

牛乳さん
お返事が遅れて申し訳ございません。
誠、牛乳さんの仰るとおりで、迷信や先入観、うわさ話、親兄弟からの言い伝え等で、
このような差別が未だに存在するのは事実ですし、非常に残念です。
でも、料理や伝統文化も、素晴らしい物が多いのも事実です!!
このブログでは、そのような「部落のいい所」をフューチャーして書いております。
(時として厳しいことを書かなければならないこともありますが)
これからも、『被差別部落の暮らし』をよろしくお願いします。

Yちゃん さんのコメント...

はじめてコメントします。
私はこの問題に無知です。用語などで不適切なところがあったら、ご寛恕ください。

『地名総鑑』
先日、友人から、「親の出身地が同和地区ではないかと言われて困っている。地図を見てくれ」と言われ、古地図を見たことがあります。A村 字B は、農業。字Cは、寺の下の谷戸状の地形でして、葬儀関連の仕事で生計を立てていたということが、推察されました。
彼の親御さんは、字B出身です。ネットに暴露された情報では、A村全体が同和地区になっています。
『地名総鑑』の被害者は、同和地区の方だけではありません。

『地名総鑑』は、その程度の粗雑なものであり、被差別部落当事者が差別されることは、もちろんのこと、周囲の人の迷惑も省みない、とんでもないものです。
(私事ですが、調査した人間のレベルが分かりました。こんな程度のヤツが作った本なんだなあと。)
また、漏れがあるそうですし、空襲などで跡形もなくなって、新興住宅地になった地域もあります。
こういうものを公開して、歩いている子どもの顔や表札までブログに上げて、どういうメリットがあるのか、全く理解できませんね。

エセ同和の問題が許しがたいなら、個々の問題を、住民運動や訴訟などの形で解決すればいいと思います。

被差別部落の暮らし さんのコメント...

Yちゃんさん
文面から察するに、ご友人の親御さんの地区は、本村がA村で、
A村の枝村である字Cが部落ということになるようですね。
地区名を表す際に、〇〇丁目などと細かく記載できないので、
その様な書き方になっているのではと思います(実際の村がわからないので、あくまでも推測ですが。。。)

Yちゃんさんがご指摘のように、一部の地区については、
部落地名総鑑はそのような粗雑なものである反面、
その多くが、ある程度正確であることに問題があります。

それともう一つ大きな問題が、「誰でも容易に見ることができる」ようになってしまった事ですね。
簡単に見れる=簡単に地域が特定できる=誤解も多い
Yさんが仰るように、ご友人の場合はこれに当てはまるでしょうね。

一度ネットに出回ってしまったものは回収不可能です。
さて、困った問題です。

Unknown さんのコメント...

Yちゃん です。

ご丁寧に返信を頂戴し、まことにありがとうございます。

なくもがなの補足をお許しください。

非常に気になりましたので、鳥取ループやその周辺のことを調べました。
あの三品という人は、メチャクチャですね。
示現舎のホームページもTwitterも。

私は決して共産党ではありませんし、立憲民主でもなければ自民党でもありません。
政治的な問題の個々のことは、意見を開陳するつもりは毛頭ありませんが、

個々の政治問題の
三品は、非常に悪い意味での「保守」です。(もちろん、逆に、悪い意味での「革新」もあります。保守や安倍支持者がただちに悪いと主張するのではありません。)

内閣総理大臣や政府など社会的な上位の権威が好きで好きでたまらず、下々の市民運動は、どんな詭弁や虚言(これは非常に多いです。月刊誌などでも問題になっているようですが、それとは別に、たまたま知っている市民運動についての記事があまりにもでたらめで仰天しました)を弄しても批判せずにはいられないという人でしょう。
これこそ、ズバリ差別主義者の典型的なメンタリティーです。
ジャーナリストなどとは言えない、電波一歩手前の変態のレベルです。

鳥取ループ氏が、こういう人とつるんでいるということは、
鳥取ループ氏は差別主義者であり、
しかも、被差別部落問題以上の、どす黒い政治的な意図を持っていると考えられます。

今後も危機感を抱きながら注視したいと思います。